ベックの練習問題 第五問(最終問題)
5.フェルマーの最終定理を解く!?
その前に。。。
お昼過ぎの早い時間に、“さくら湯”に浸かっていた。
浴槽に入るのは久しぶり(もちろんシャワーは浴びていたよ^^)。
季節がら、桜の香りに満ちたお風呂は情趣たっぷりで気持ちがいい。たちのぼる湯気までが薄桃色に霞み、ミルキーピンクのお湯がゆらゆら春爛漫という感じ。Oh、乙女チック!〔馬鹿かよって言われるのがオチだな^^;〕。
湯のおもてに“生”の桜の花びらが浮いているわけではない。桜の香りがする入浴剤を混ぜただけの薬湯だ。その箱の説明書きにはご丁寧なことにも英語で「With no petals in it」と書かれている。笑えるね。
しかしこの商品、巷ではそうは目にしていないはず。某漢方製薬会社の商品で、「モモ葉エキス」がたっぷり入っているシロモノ。桜の匂いの元はこのモモ葉エキスにあり、と^^。ちょっと変か。
コルセットで締めつけているせいか、腰~お腹のあたりに桜色の帯状のみみず腫れができている。肌に直接でなくともかぶれてくる。緊縛の日々もそろそろ限界に達している。
湯上りにビールをうぐうぐやりながら、AMAZONから届いたばかりの『美の巨人たち』関係CDを三枚続けて聴いていた。
この前、エンディング・テーマ曲を歌っている平賀マリカに触れたが、この番組では毎年のように、いや半年に一度かな、オープニングとエンディングの曲が変わっている。中で使われるBGMもね。
平賀さんのは今年1月からで、番組が始まって以来の永年のファンとしては、もっともっと馴染み深い曲が沢山ある。この機会にそれらを集めたCDを仕込んでみたわけだ。
おおむね好評だったこの前のぼくの平賀《ボッサ》CD。
実は同時に、小野リサの《ボサノヴァ》も“無為”をテーマにセレクトし直してCDにしてみた。
これが実にいいんだぜ^^。
“One Fine Spring Dayの、な~んもやんないでボーッとしている無為なとき”に流しておくにピッタリの・・・《ボサノヴァ》。
《ボサノヴァ》って、ぼくにはそんな時のための音楽のように思えるのだ。
CDは一枚80分が基本単位だ。結構な曲数になる。これまでつくったものとダブらないように小野リサの曲を選んでいく。ちょっとした難問だったかな^^。
そしていま、仕込みの下準備が終わった“The Best of 『美の巨人たち』”CD制作。
ここからどんな世界が生まれてくるのか。この編集/画像デザイン&ヴィジュアル化への執念。なんとまぁ、自分でも呆れてしまう。次から次へと、まるで“(日々の)生活の癖”のよう(笑)。
中学時代からの無二の親友にOという男がいる。
某研究所の主任研究員で、某大学医学部大学院の客員教授でもある。日本を代表する「ケミカルバイオロジー」系の有能なサイエンティストだ。
このたび3月27日に福岡で催された学会の総会で、このO博士は2009年度●●賞を授賞した。この数年のあいだ、彼はいくつもの名だたる賞をもらってきたが、今回のが極めつけと思える。学者として一生に一度とれるかどうかの大賞だ。建築の世界で言えば、日本建築学会作品賞。ネットの資料でこの30年を振り返ってみると、三回受賞しているのが前川國男で、二回が(マーちゃんが論文まで書いた)伊東豊雄と(ぼくが一緒に仕事をしていた)山本理顕の二人だ。一度とってしまえば超一流の証しとなる! 今年度●●賞の受賞者であるO博士。いわば我が国における科学部門の“ノーベル賞”相当の栄誉賞をとってしまったわけで、あとはない。ノーベル賞を残すのみ。
彼が少年のときから口にしていた“偉い学者になってノーベル賞をとる!”という夢に、現実的に最も近づいたことになる。
世界的にもトップレベルの研究成果が認められたわけだから(それはぼくたちの健康問題に還元されてくるのだよ。20歳は長生きできる!)、さて来年こそは!の期待が高まってくる。
ともかく、心からおめでとう! やったね!!
その栄誉の知らせと共に、四月中旬に東京會舘で行われる祝賀パーティーの招待状が弟子たちから届けられたのだが・・・会費がひどく高い。滅茶苦茶だ。これじゃ政治家のパー券とおんなじ。庶民には出席できるわけがない。あっ、そうか庶民なんて、最初からてんで相手にしてねぇのか。お偉い先生がたが公費でフレンチ料理を立ち喰いし、シャンパンとワインを飲みほうけるのだから。
時をあらためよう。彼と二人、ぼくの誕生祝いも兼ねて懐かしの早稲田の「源兵衛」で、一人3000円会費で、飲むことにしよう。ぼくが奢ってやる。ここ最近の、「智恵子抄」の話でも彼にしてやったほうが、よっぽど気がきいている。
遠い記憶・・・。彼と中学時代に挑んでいたのが「フェルマーの最終定理」の証明だった。
中2からの担任が数学の先生で、数学科を出たての血気盛んな人だったので、ぼくらは放課後や日曜祭日、剣道の稽古もそこそこに、いろんな高等数学問題を個人指導で教え込まれていた。高校の「数ⅡB」の教科書はこの中2の夏休みで完璧に終わっていた。
日ごろ夢中になって解いていたのが「大学への数学」(略して大数)という月刊数学雑誌の問題だった。成績優秀者は模範解答が誌面に掲載される。
それがぼくら憧れの「ノーベル賞」だった。いつか「大数」に名前が載ることを夢見て、ぼくらは西陽が紅く射しこむ教室の窓辺に並んで座り必死に鉛筆を走らせていた。傍らではいつもH先生が見守っていてくれた。〔たぶん先生は自分では解けなかったのだと、思うよ(笑)〕
中1の秋だったか、ヒマで仕方がなかった「技術」の時間のときに、彼が問いかけてきた“事件”が今でも忘れられない。
おい、三角形の内角の和は?
180度だろ。
いや違うんだな^^。
これを見て、と彼は小さなゴム風船に三角形を描いてそれを膨らました。ほうら、な、この角度の総和って何度だ? これを非ユークリッド幾何学っていうんだよ。これが本来の数学なんだ。俺たちがいくら満点取っても中間や期末の問題なんて屁みたいなものさ。ちっとも数学じゃない。
たぶん誰か先輩に吹き込まれたか本に書いてあったんだろうが、ぼくにしてみればこれはショックだった。
早速図書館に出掛けて、片っ端から「大数学者」「数学の偉人たち」といった本を読みまくった。この(非じゃなくて本来的な)ユークリッドの話から、デカルト、ニュートン、ライプニッツの三大数学者やガウス、ガロア、オイラー、カントール、ヒルベルトといった天才たち。その中に、当然、フェルマーの名前もあった。
「フェルマーの最終定理」、これを証明すること!
卒業までのぼくらの最終課題はこうして決められた。
ドストエフスキー全集と森鴎外全集を全部読み終えたと豪語しているぼくに敵はいなかった。アハハ。彼はからっきし文学が苦手で、ぼくの提案事項にはすべて従っていた。
ようし分った。「フェルマーの最終定理」の証明には懸賞金がかかっている。この一年かけてなんとか証明して、二人して大金持ちになろう!と、そのためにまず高校の「数Ⅲ」の教科書までは出来るだけ早く終わらせようと誓い合ったのだった。H先生も、お前たちなら必ず出来る!と言ってくれた。
「フェルマーの最終定理」とは、3以上の自然数 n について、xn + yn = zn となる 0 でない自然数 (x, y, z) の組み合わせがない、という定理のことである。
「ウィキペディア」に詳しい解説がある。興味のある方はご参照されたい。
解説の末尾でこう付言されていることに注目されたい。ここが重要なところだ。
“現在も未解決の問題の大多数は、難解な用語を用いなければ表現できないものであるのに対し、本定理の結果は中学生程度の知識さえあれば理解できる内容であるため、予想の段階では数多くのアマチュア数学ファンがこれを解決しようと熱中し、数学を志した者もいた。最終的に解決に導いたワイルズ自身もそうした者の一人であった。その意味でも、数学界にとっては若い才能を持った者が数学への扉を叩く動機となる貴重な問題であったといえよう。”




































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