PanさんのCDコレクション 壱
おぼえているかな?
2年前の秋、こんなCDを制作して、“ドヤ、ドヤ、あんたらはブラッド・メルドーを知っとるんか!”と、みんなに無料配布したよね。
ちゃんと聴いてくれたかいな?
RとLが逆転している。そんなことは百も承知で無理して訳せば“血と糞”だぜ。まさに名前からして、強烈!
ブラ(L)ディ・マリーのブラ(R)ッドだ。ジャックナイフの切っ先みたいな指で鍵盤を激しく刺してくる。
彼の左と右の手は全く別個の生き物になって、分解された和音じゃないぜ別旋律を同時並行的に弾きまくるんだ。手が何本あるのか分からない。
はたまた、その鋭利でひんやりと冷たいナイフの先っぽは、乳首を甘く優しく愛撫するようにバラードを奏でる。たまったもんじゃないさ。性別も年齢も関係ない。初老の男だって乙女オヤジだって、誰もがみんな陶酔の極みだ。
徹底してストイックでサディスティック。エロティックでマゾヒスティックな両性具有のマジェスティクなタッチ!マジカルでマニフィックなその指さばき。
モダンジャズのピアノ文法を破りまくりのメル(R)ド〔糞〕のメル(L)ドーには、南仏プロヴァンスの王侯貴族の血をひくサド侯爵がのり移っているかのごとく、ミタイナ・・・^^。
メルドーは「あなた」が発見した。随分とむかしに。メルドーがNYのジャズクラブで注目され始めた頃。日本ではほとんど誰も知らなかった時代に・・・。〔もちろんその後、メジャーになって来日公演するようになったメルドーをひみチャンと二人で追いかけるように聴いていたことも知っている。完璧にオッカケてたよね^^。〕
もうすでにキースの時代ではない、と「あなた」は決然と言い放っていた。こうも言っていた、ケルン・コンサートでもソロ・コンサートでもサンベアでも有名な楽節はわたしにだって真似して弾ける、そっくりそのままに弾ける自信がある。でもたとえばメルドーの「Convalescent」は私には絶対無理。到底無理。私が二人いて並んで座って弾いて、ようやくできるって感じかな。彼は一人でやってのけるのだから・・・人間技じゃない。
その究極の天才的ピアノプレイ「Convalescent」は、ぼくのつくったメルドー『悪魔のような・・・あなた』(青玄堂謹製)で聴ける。
話を戻して、
かくのごとく、ジャズ・ピアニストでは大好き中の大好きなブラッド・メルドーのコレクション10数枚を綿密に心あらたに聴き直してみて、ベスト11曲というのを厳選・精選して編集したのがこの一枚、『悪魔のようにバラードに......』(青玄堂謹製)だった。
気をつけて聴いていると、ハリウッド版『イルマーレ』で挿入曲として使われている「Young at Heart」が6曲目に出てくる。思わず微笑んでしまうでしょ?
ぼくの作るCDには共通したクセのようなものがあって、第1曲目で必ず“勝負!”だ。この最初の1曲ですべての良し悪しを評価してもらいたいといつも思っている。聴き手にとっては、あなたのツボにハマッたか、否か。最初で判断してもらいたい。
むかしっから一番美味しそうなのに、まず、手を出す・手をつける主義者なんだよね^^;。二番手・三番手はその他大勢と一緒。食事もそうだ。オードブルなしでメインから始めてもらっても結構。握りも一番旨そうなのから。ワインだって、たとえ重すぎてもボルドーの赤の最高のから攻めてみたい。最後にとっておくなんて発想、貧乏臭くてとても駄目だ。
好きになったらひたすら一途に・ひたむきに。あっ、それは違う話か^^;。
ブラッド・メルドーでは「Song-Song」、これっきゃない。この一曲があればいい!!
このCDに対しては、ネットで記事を読んだフランス在住の日本女性からも要望のメールが届き、実家の父親に宛てて送り付けた。裏には差出人「ターナー」(あるいは、エドガー・ターナー/Edgar Turner)の文字それだけ。さぞかし怪しい郵便物だと思われたろうなぁ(笑)。
このあたりから、ぼくのオリジナルCDづくりが大きく変化している。




































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